木鶏会感想文【11月】
致知11月号特集『運鈍根』
以前、私は趣味の一環で土地を借り自然農法という手法で野菜作りを行っていた。自然農法とは字の如く自然に任せて人の手は最小限に留める農法で植物の生きる力を最大限に引き出すことを主眼とする。またその反対の農法には温室農法がある。環境を人の手で整えて植物が最大限に成長するようコントロールしていく農法である。
今回のテーマは「運鈍根」である。初めて知る言葉だが致知に出てくる方々は皆、運鈍根を体現しているように思えた。人生のどこかで逆境を受けたのち、状況を好転させるために粘り強く努力を続けてきたような人達である。逆を言えば何も考えず、努力もせずに天運のみで人生を送ってきた人は致知には登場しない。そう考えると何かを成す人や徳のある人達は人生のどこかで壁にぶつかっている。その壁を乗り越えるたびに強い根を張り幹を太く逞しくしていったのだ。温室育ちの植物は一見立派な形をしていても環境が変わると案外と脆い。人も植物と同じで運良く苦労のない人生は力強い根を張るタイミングがなく環境一つで立ち直れないほどのダメージを受ける。人生において逆境とはあまり望ましい状況ではないが致知に出ている方達の実体験を読み、不運も人生において大切な時期であり逆境に向き合う過程を経て自分の自信に繋がるのだと思えた。
ガイアそうこにおいても今の逆境は長い目で見れば経験を積み根を張る大切な時期とも言える。鈍・根なくして運は巡ってこない。今は愚直に鈍・根に徹してガイアそうこが大きな大木の礎となるように努めたいと思う。