メニュー

木鶏会感想文【9月】

[2022.09.25]

致知9月号特集『実行こそが道を開く』

 今回私が感想文を書くためのお題決めを担当したが、ひとつは表紙を見て即決だった。ズバリ、工藤公康さんが出ている記事だ。

 工藤さんは学生時代、野球をやっていた頃から憧れている選手の1人だ。私が知ったのは2,000年に巨人にFAで移籍した時。当時野呂家が巨人ファンだったこともあり、よく見ることになるのだが、自分自身がピッチャーを目指していたこと、同じサウスポーであったことから、彼を参考に色々と勉強していた。フォームや球種などに留まらず、年中長袖を着ていたのを真似して、真夏でも長袖を着て練習していたことを思い出す。

 さて、そんな憧れの工藤さんは、現役当時から自分に厳しく、徹底した自己管理で長い現役生活をしていた。監督になってもその厳しさは自分にも、選手にも向けられ、特に同じ畑のピッチャーにはかなり厳しくしていたと聞く。

 記事からも、その厳しさはよく感じることができた。「努力と根性は最高の言葉」「頭で考える前に体を動かす」など、工藤さん自身が指導されたことをしっかり実践しており、それが結果に繋がっていると感じた。ファーストのベースカバーの話も、自身の経験から基本の反復練習の大切さを思い出した。

 自分が現役の頃も、ピッチャーにとってファーストのベースカバーは嫌になるほど練習した。自分より左に打球が飛んだら、瞬間的にファーストに向かって走り出す必要があるのだ。打球を見て、頭で考えてからスタートしていたのでは絶対に間に合わない。
 もう十数年前にやっていたことだが、今でもピッチャーをやったら同じように反応できる自信がある。それくらい反射的に、すばやく仕事で動くことができるだろうか。ベースカバーは重要な仕事ではあるが、難しい仕事ではない。野手1/9の1人として、当たり前の役割だ。思えば、野球は非常に連携が必要なスポーツだ。どこに打球が飛んでも、野手全員に役割があり、状況に応じて動く必要がある。逆に言うと、誰かひとりでも動きが悪いとチームとして機能しないし、そういうチームは強くない。会社にも同じことが言えるかもしれない。

 自分がレフトにいて、ライトに打球が飛んだ時に動けない選手ではダメだ。同じように会社に対して動くことができなければ、会社の一員として失格なのだと思う。これは、全ての打球を自分で追わなければいけない、という意味ではない。自分にどんな役割があるか、何か少しでもできることがないかを考え、動くことが良い結果を生む一助になるのではないかと思う。自分に向かってこない打球でも、最初の一歩を早く踏み出せるか。実行あるのみ、である。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME